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水の中で匂いは感じられるか??

こんにちは!ご近所の庭のニオイバンマツリが爽やかな香りを放ちながら咲き乱れています。この香りを嗅ぐと、もうすぐ夏だなと感じます。

今回頂いたご質問は「水の中で匂いを感じることは出来ますか?」というもので、こちらについてお答えさせて頂きたいと思います。

まず、匂いの成分自体は水中でも存在しているのですが、当然ながら人間がそれを感じ取るのは非常に困難です(水中でわざわざ鼻呼吸を行おうとする方はいらっしゃらないと思います…)。そこで、「水中で活動する魚たちは匂いを感じ取ることが出来るのか?」という疑問が出て来ますが、魚類にも嗅覚は存在し、その感度は一説では犬以上とも言われている程です。中でもアミノ酸に対する感度は非常に鋭いと言われており、人間の100万倍程度という報告もあります。魚の嗅覚にまつわるエピソードとしては、例えば、サケが自らの産まれた川に戻って来られるのは、産まれた川の水中のアミノ酸組成を嗅ぎ分けることが出来るから…というのも理由にあるようです(もちろん、それだけで遠く離れた外洋から戻って来られるとは考えにくい為、「太陽や磁気をコンパス代わりにして方角・方向を定める」「海流を活用する」など、複数の方法を併用しているのではないか…とも言われております)。また、嗅覚と視覚には関連性があるようで、視覚が退化している深海魚などは、視界が効かない中でも効率よくエサを見つけ出す為に、より嗅覚が発達している傾向があるそうです。

なお、釣り好きの方はご存知かもしれませんが、魚が好むとされる匂いの液に漬け込んだルアーや、ルアーに吹き付ける匂い液なども販売されております。水溶性の液とすることで広範囲に匂いが拡散するようになっているそうで、『シュリンプ(エビ)』や『クローフィッシュ(ザリガニ)』などのバリエーションがあります。かなり独特な匂いがするようですが、釣果にお悩みの方は一度検討してみてはいかがでしょうか?

先日、スーパーで匂いに釣られて焼き芋を買いました。いい匂いのルアーなら人間も釣れるかもしれません。(笑)

参考資料:
・庄司 隆行「アミノ酸を鼻でも“味わう”魚たち」
(日本味と匂学会誌 第16巻 第2号 163-169 2009)
・佐藤 幸治「魚類におけるにおい受容のメカニズム」
(におい・かおり環境学会誌 第36巻 第3号 150-152 2005)
・「サケの母川回帰」
(マルハニチロ株式会社 サーモンミュージアム サケの生態 HP)

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