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温度などが与える香りの感じ方への影響

こんにちは!少しずつ少しずつ日没時間が遅くなり、仕事を終えて職場のドアを開けた時に、わずかに残った夕焼けの色が見られるようになりました。もうすぐ春ですね。

最近『食戟のソーマ』という漫画を読んだのですが、その中で主人公が、「蕎麦職人である対戦相手に“蕎麦”をテーマに料理対決を挑む…」というエピソードがありました。絶対的に不利とも言えるこの状況ですが、主人公は会場内の温度が低いことに気付き、のど越しや食感は良いが繊細な香りである“一番粉”では蕎麦の風味が発揮されにくいと考え、食感は荒いものの強い香り・風味を持つ“三番粉”を選び、一番粉を選んだ対戦相手に見事、勝利します(蕎麦粉は、実のどの部分を用いるかによって、大きく一番粉・二番粉・三番粉の3種類に分けられるそうです)。
このように、香りの立ち方(感じ方)は温度による影響を受けやすいようですが、それ以外にも影響を及ぼすものはあるのでしょうか?そこで今回は、「温度などが与える香りの感じ方への影響」についてご紹介したいと思います。
まず、先ほども触れましたが『気温・温度』の影響についてです。香りの基となるニオイ分子は気体になる性質(揮発性)を持っているのですが、この揮発性は温度が高くなるほどに高くなります。従って、“寒いと香りを感じにくくなる”ということが起こり得る訳です。先述のエピソードで主人公は、更に風味を引き立てる為に蕎麦を炒め、焼き“蕎麦”を作る…という型破りな行動を取りますが、それも理にかなったもののようです(確かにアツアツの料理と比べて冷え切った料理では、香りを感じにくいですよね)。
次に『湿度』も関係しています。空気中に水分が少ない場合、ニオイ分子はどんどん上昇していきますが、水分が多いと、ニオイ分子は水分と結びついて留まりやすくなります。冬よりも夏の方が香りを強く感じるのは、温度だけでなく湿度も影響しているからなのです。
また、『空気の流れ(気流)』も影響しています。晴れている日は上昇気流が起こりやすい為、ニオイ分子は上昇していきますが、曇りの日は地表付近に留まりやすくなります。つまり、曇りの日の方が香りを強く感じることになります。
これらの影響をまとめると、香りを強く感じることが出来るのは、「暑く」「湿った」「曇り」の日ということになります。言い換えると「梅雨こそ最も香りを満喫できる時期」とも言えそうですね。(笑)

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