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病気やケガを香りで治すことは可能?

先日、久しぶりに部屋に切り花を飾りました。スイートピーのほのかな甘い香りを嗅ぐと癒される気がするので、そばを通るたびに鼻を寄せてしまいます。
花が長持ちするよう、エアコンの温度を低めに設定して、寒さに耐えながら愛でています。

『アロマセラピー』という言葉を聞いたことのある方は多いかと思いますが、「病気やケガが香りで治るのか?」と疑問に思う方もまた多いのではないでしょうか?今回はこちらをテーマにお話し致します。
まず、一括りに『アロマセラピー』と言っても、「主に香りを楽しみ、リラックスやリフレッシュを目的としたもの」と、「“治療”を目的としたもの」の2つに大別されます(前者を「イギリス式」、後者を「フランス式」とも呼ぶそうです)。アロマセラピーに対する日本人の認識としては「イギリス式」のイメージが強いのですが、これは「イギリス式」の方が「フランス式」よりも早く日本に入って来た為、先に浸透したことが理由にあるようです。「イギリス式」は、行う際に何か資格が必要という訳でもなく、個人レベルでも楽しめるものですが、「フランス式」はそういう訳にはいかず、こちらは「メディカル・アロマセラピー」とも呼ばれ、いわゆる“施術”を行う際には協会の認定資格が必要となります。では、具体的にはどのような施術を行い、また、効果が期待出来るのでしょうか?
1つは、アロマオイル(精油)の香りを嗅ぐことで精神のバランスを整えたり、ストレス緩和などの効果が期待出来ます(ストレスが原因となって起こる心身の病は数多くあり、そういう意味では病の予防にも一役買っているのです)。こちらは「イギリス式」でも行えることではありますが、「メディカル・アロマセラピー」では有資格者のアドバイスの下、より高いレベルで行えるのです。
加えて「メディカル・アロマセラピー」では、精油をお湯に溶かして行う“芳香浴”やマッサージとの併用、ハーブティーの調合・飲用など、その効果・効能を文字通り全身で受けられるよう、患者さんが抱えている悩みに応じてプログラムを組み立てていくそうです(専門的な知識を持ち、施術に資格が必要なのはその為です)。これらを複合的に活用することで、「皮膚炎などの炎症」「肩こりや腰痛、関節痛」「風邪などの呼吸器疾患」「便秘などの胃腸障害」など、様々な症状の改善が期待出来るそうです。つまり、病気やケガを直接治療することは難しくとも、そのサポートとして「メディカル・アロマセラピー」は非常に有効な手段の1つと言えそうです。
この「メディカル・アロマセラピー」に関しては、日本ではまだ認知度が低く、現段階では法律上「治療」としては認められていないものなのですが、今後、理解や研究、そして導入が進めば、れっきとした「治療」の一環として認められる日もそう遠くはないかもしれません。

家の近所の接骨院はドアを押し開けた途端、ミントの香りが漂ってきます。施術前に少しスッキリした気分になります。スタッフの方に尋ねると、やはり効果を期待して使用しているとのこと。香りを利用した心地良い場所が増えていくといいと思いました。

今年も大変お世話になり誠にありがとうございました。来年も、面白く、楽しいトピックを色々とご紹介出来ればと思いますので、よろしくお願い致します!

参考資料:
・今西 二郎「香りと医療―メディカル・アロマセラピー」
(におい・かおり環境学会誌 第39巻 第4号 2008)
・「メディカルアロマセラピストって?資格の取り方と働き方を紹介!」
(薬剤師のためのキャリアアップマニュアル HP)

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