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桜の香りってどんな香り?

こんにちは!ポカポカと暖かな陽射しが心地よいですね。ディズニー映画の中で聴くような美しい小鳥のさえずりがしてきて、小鳥も春を楽しんでいるんだなぁ…とほっこりした気分になっています。春爛漫の京都からお届けいたします。

弊社では様々な香りの芳香剤を取り扱っております。そして、お客様から「○○の香りはありませんか?」や「○○の香りを作って(再現して)もらえませんか?」というご相談を頂くことも少なくないのですが、中には再現するのに少々苦労するような香りもございます。

その1つが『桜の香り』です。“日本に大変馴染み深い植物の香りなのに、なぜ再現するのが難しいのか?”今回はそれをご紹介したいと思います。

『桜の香り』と聞けば、「暖かな春の中に舞うフローラルな香り」というようなイメージを持つ方が多いのではないかと思います。しかし、よくよく思い返してみて下さい。桜並木を歩くときやお花見の最中にそのような香りはしているでしょうか?案外、「どんな香りだったかな?」と思い出せないのではないでしょうか?

これには理由があります。まず、そもそも桜というのは、発せられる香り(芳香成分)の少ない植物なのです。中には比較的香りのする品種もあるのですが、ソメイヨシノを始めとする大半の桜は、花の至近距離まで近付いてもその香りが分かるかどうか…というぐらい、香り自体は少ないのです。また、『桜の香り』=『桜餅の香り』というイメージを持たれている方がいらっしゃるように、桜の香り成分は「花」よりも「葉」に多く含まれているのです。その代表的な成分が『クマリン』と呼ばれるものなのですが、これは、葉を粉砕したり塩漬けにしたりすることで生成され、強い香りを発するのです(言い換えれば、葉が青々と枝に付いている時にはあまり香らない、ということでもあります)。

一方で、一概に“『桜の香り』を再現するには『桜餅の香り』を再現すればそれで良し!”…とはならず、『桜餅の香り』はあくまで『桜餅の香り』で、それと『桜の香り』はイコールではない、と感じる方もいらっしゃいます。また、馴染み深い植物であるが故に、個人個人が桜に抱くイメージやその思い出の強さも相まって、「これぞ桜の香り」という確固たるものがなかなかなく、その為お客様のご希望に沿った香りを作るのは一筋縄ではいかないのです。
このように、香りを再現するのは簡単ではなく、時として苦労を伴いますが、それが香りの奥深さ、面白さでもあります。

1年のうちに2週間ほどしか花の姿を見せない桜ですが、その人気はとても高く、多くの『あなたの好きな花アンケート』で1位になっています。美しいのはもちろんのこと、その儚さこそが惹かれる理由なのかも…と、卓上カレンダーの桜の写真を見ながら思いました。

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