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睡眠中に嗅覚は働いているのか?

“春眠暁を覚えず”…のことわざの通り、睡魔と闘う日中を過ごしておりましたが、早くも寝苦しさを感じ始めている今日この頃です。

寝ている時に、音で目覚めるのは当たり前であり(聴覚)、揺すぶられるなど、身体を動かされることで目覚めるのも当たり前です(触覚)。では、匂いで目覚めることはあるのでしょうか?漫画やドラマでよく、朝ごはんの良い香りで目覚める主人公などを見かけますが、眠っていても嗅覚は働いているのでしょうか?

結論から申し上げますと、眠っている最中にも嗅覚は働いており、それどころか、睡眠中にどのような香りを嗅いでいるかによって、睡眠の質にも影響が出るのです。例えば、ラベンダーの香りは、副交感神経の活動を活発化させる働きがあり、それによって睡眠中の心拍数を下げ、より深い眠りに誘うことが判っております。また、睡眠時間の後半では、睡眠が浅くなることで不整脈や狭心症のリスクが高まるのですが、ラベンダーの香りによって眠りが深くなれば、リスクの低減も期待出来るそうです。

このように安眠を目的とした用途とは逆に、香りによって目覚めを誘発する効果に注目した試みもございます。ワサビのような刺激臭を発することで、嫌でも目が覚めるようにするものなのですが、これは「大音量での警報を聴き取れない、聴覚に障害がある方を対象とした“警報器”(つまり、音の代わりに香りを用いることで、危険を知らせる装置)」として活用されているのです。

せっかく24時間営業で嗅覚が働いてくれているのですから、寝苦しさが本格化するこれからの季節には、香りを利用して爽快な朝を迎えたいですね。

参考文献:
・左達 洋美ら「ラベンダーの香りがストレス負荷時の睡眠中の自律神経活動に及ぼす影響」
(富士山研究 第6巻 9-15 2012)
・川辺 真斗ら「感覚環境を利用した室内環境制御に関する研究~ペパーミントの香りが温冷感に与える影響について~」
(空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集 137-140 2014)

睡眠中の嗅覚

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