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花の香りがたくさんある理由

こんにちは!いよいよ春本番♪
京都は観光シーズン真っ盛り。どこへ行っても、耳慣れない言葉が聴こえてきます。
今回はまた弊社に香りに関するご質問をいただきました。

『初めまして。先日、なばなの里に遊びに行った時に、疑問に思ったことがあります。
花にはいろんな香りがありますね。甘かったり、爽やかだったり、中にはチョコレートに似た香りの花もありました。
花によって、香りが全然違うのは何故でしょう?
虫を引き寄せるためのものであれば、同じような香りで十分だろうに…と思いました。』

ご質問ありがとうございます!お答えいたします。

植物にとって、自身の花粉を運んでくれる昆虫(もしくは鳥)を香りによって誘うことは非常に大切です。一方で、植物から発せられる香りは非常にバリエーション豊かで、「ただ単に誘うだけなら似たような香りで十分なのでは?」と疑問を持たれる方もおられるかと思います。今回は、その理由についていくつかご紹介したいと思います。

1つ目は、『昆虫の活動する時間帯の違いが関係している』ことが挙げられます。その植物が朝に活動する昆虫を誘おうとするならば、当然ながら朝に花をつけて強い香りを放出する必要があります。同じように、昼間に活動する昆虫(例えば蜂など)、夜間に活動する昆虫(例えば蛾など)を狙うならば、その時間帯に花をつけて強い香りを放出するよう植物は進化してきました。そして、“誘われる香り”は昆虫ごとに異なりますので、どの昆虫をターゲットに選ぶかで、植物が発する香りも多様化してきたと考えられます。また、受精を終えた植物はそれ以上昆虫を惹きつける必要がありませんので、香りの放出を抑えたり止めたりすることも知られております。同じ植物でも、時間帯や時期によって香りの強弱に違いが出るのはこの為です。

次に考えられる理由としては、『花粉を運んでくれるもの(=媒介者)として、昆虫などの生物を利用する植物と風を利用する植物の違いが関係している』が挙げられます。植物の種類によっては、周囲にあまり昆虫や鳥が存在しない環境下で生息していたり、媒介者として生物に依存し過ぎるとリスクを負うケースがございます(例えば、乾季が続いた場合、動物は植物のように休眠状態で過ごすことが出来ませんので、その地域の動物の減少が植物自身の生存に直結します)。従って、そのような環境下で生きる植物は、風を使って自身の花粉を運ぼうとしますが、生物を惹きつける必要はありませんので、これらの植物が発する香りは必ずしも“かぐわしい香り”“強い香り”とはならないのです。なお、風を利用する植物からは、花粉が“大量に”かつ“広範囲に”撒き散らされるケースが多く、花粉症の原因となっているものも少なくないそうです。

香りは奥が深いものです。ご質問がございましたらぜひご連絡ください!

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