ニオイの識別能力の差について

ニオイの識別能力の差01

 こんにちは!先日、帰宅して冷蔵庫からお茶を取り出した時に、「臭っ!」と思わず言ってしまいました。犯人は冷蔵庫の中の大根おろしでした。生ゴミのような匂いがフワッとしてきたのです。でも、食べる時は全く感じないのが不思議ですね。

 今回は「ニオイの識別能力について個人差や年齢差などはあるのか?」についてご紹介したいと思います。
 結論から申し上げますと、答えは「イエス」です。まず、『個人差』についてですが、これは経験されたことのある方も少なくないのではないかと思います(自分にとってはキツく感じるニオイでも他人にとってはそうでなかったり、また、その逆であったり…)。この一因には、(鼻詰まりなどの物理的な要因を除けば)それまでの経験や育ってきた環境が影響していると言われています。例えば、常日頃から動物に接している飼育員や農家の方にとって、いわゆる“動物臭”は特に気にならないかもしれませんが、都会の方が突然その環境に放り込まれると、敏感にニオイを感じ取ってしまうかと思います(2020年11月ブログ記事「匂いへの慣れについて」ご参照)。また、幅広い香りに触れることで自分の中にどれだけの「ニオイデータベース」が蓄積しているかも重要です。それによって、例えば同じ“スペアミント”の香りを嗅いだ場合でも、それが「“スペアミント”だと判る人」「“ミント系”であることまでは判る人」「“なんとなくスッとする香り”としか判らない人」が存在する訳です。
 また、識別能力には年齢差も存在し、加齢と共に衰えていきます。加えて、男性よりも女性の方がその能力は高いと言われており、その衰えも、男性が20代から始まるのに対して女性では40代、また、衰えが目立ち始めるのも男性が60代からなのに対して女性では70代という報告があります。この男女差について明確な原因は判明していないようですが、一説には、「男性は喫煙率が高いが為に嗅覚の衰えが早くなる」「女性は調理や化粧品の使用などで男性よりも様々な香りに触れる機会が多く、嗅覚がより鋭くなり衰えにくい」のではないか、と言われています。

 妻が夫に「あっちへ行って!」と言うのは、実は無意識に夫の匂いに不快感を持っていて離れたいと思っているからという説があります。男性の皆様、ご参考までに!(笑)

参考資料:
Doty RL, et al.(1984)Smell identification ability:changes with age, Science, 226:1441-1443
Wysocki CJ, et al.(1989)National Geographic Smell Survey. Effects of age are heterogenous, Annals of the New York Academy of Sciences 561:12-28

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